Arctic Journey
Cunningham Inlet, Canada
ベルーガが集まる入り江

写真・文:ヨラン・エルメ

冬の間、カナダ北極圏でも結氷しないバフィン湾ですごしたベルーガの群れは、春から夏にかけて、サマセット島の北側で東西に広がるランカスター海峡からバロー海峡を、西にむけて回遊を行う。
途中、いくつかの河口の浅瀬に集まって古い体表をこそぎ落とすが、サマセット島のカニンガム入り江こそ、もっとも多くのベルーガが集まる場所として知られている。
入り江には何本かの河が注ぎこむが、ベルーガたちは河底のすべすべした小石に、古くて黄色くなった表皮をこすりつけて落とすのである。・・・(本文から)