編集後記
ふだんどおりに朝をむかえ、日常の仕事とともに1日をすごし、穏やかに夜を迎える。日々を重ねるなかで季節はめぐり、身近に移ろう四季の彩りを愛でながら1年をすごすーー今年ほど、こうしたふだんどおりの暮らしができることが、ほんとうに幸せなことだと感じた年はないでしょう。あまりにもいろいろなことが、私たちのまわりに起こりました。
写真家という仕事も、世のなかの出来事や人びとの思いと無関係ではいられません。私自身、創っていきたいと思う作品のありようが大きく変わりはじめたのも、むしろ自然なことといえるのかもしれません。
と同時に、今年自分に何ができるかを問いかけた写真家も少なくないでしょう。自らがこうあってほしいと願う社会や環境のありかたにむけて、何がしかの力になりうる創作活動をめざしたいと、誰しも思うものです。相手が動物であれ人物であれ、「撮る」ことは「ともに生きる」ことにほかならないのですから。
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